建設業者に課せられる義務
ここでは代表的なものを挙げます。
①許可行政庁への届出義務→変更届の提出
②標識の掲示、帳簿の備付・保存の義務→許可票の掲示等
③契約締結に関する義務→一括下下請禁止等
④工事現場の施工体制等に関する義務→施工体系図作成等
⑤下請代金の支払いに関する義務→赤伝処理禁止等
など果たさなければならない義務があります。
①届出義務
変更届などの各種届出は、建設業法に「許可を受けた内容に関する変更があったときは、決められた日数以内に国土交通大臣または都道府県知事に届出書を提出しなければならない」とされています。
各々日数が決められていますので、忘れないように注意しなければなりませんね。
例えば、決算変更届が提出されない場合は、6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。許可の更新が5年だからといって、決算変更届もまとめて・・・・というわけにはいきません。毎年必ず決算後4カ月以内に提出しましょう。
②掲示・備付・保存義務
◇掲示物
・建設業許可票
・施工体系図
・労災保険関係成立票
・建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識
・作業主任者
よく工事現場の入り口付近で見かけるアレですね。
帳簿の備付・保存行為は言うまでもなく必ず行わなければ経営にも関わってきます。
③契約締結に関する義務
◇一括請負禁止
そもそも一括請負とは何ぞやということですが、いわゆる丸投げのことです。工事を請け負った建設業者が、施工において実質的に関与せず、下請負人にその工事の全部又は独立した一部を行わせることをいいます。
「全部やっといて~」
これ、原則禁止されてます。公共工事については全面禁止されてます。
請け負わせた側も請け負った下請も処分対象になるので十分注意が必要です。
④施工体系図の作成等
公共工事においては必須です。
民間工事についても、元請け特定建設業者が4000万円以上(建築一式の場合は6000万円以上)の工事を下請けに出すときには作成しなければなりません。
ですから、かなり大きい受注をした元請もしくは公共工事を行う場合にしか必要ありません。
虚偽表示などの問題が昨今浮き彫りとなっています。
知らず知らずのうちに虚偽申請していた、今回だけ名前を借りた。すべて行政処分の対象になります。許可を受けられなくなったり、他の法令での処分も十分可能性があります。
⑤下請代金支払に関する義務
◇赤伝処理禁止
不適切な赤伝処理は禁止されています。すべて合意の上、契約書・見積条件を明示しなければなりません。
安全協力費やごみ処理費などは不透明になりがちですので、下請人の費用負担が過剰にならないように、透明性をできるだけ確保し、双方が必ず合意の上で処理しましょう。